"たかが"イベントに行けなかったくらいで病まないと決めたあの日

「その"たかが"イベントに命懸けてんだよ」って人は回れ右。

気持ちのいい話は1ミリも出てこないので、嫌な人も回れ右。

 

オタクの半数以上は「○○で鬱」という文を書いたことがある と勝手に思っている。

その中で本当に辛すぎてダメになりそうだったことは何回あるだろうか。

私は振り返ると1回だ。

 

202X年のある日、とある番組のイベントが東京で開催された。

番組としても、そもそもその人がイベントをやること自体も初めてだった。

タイトルで察すると思うが、それに行けなくて超凹んだというオチだ。

 

行けなかった理由は、イベント前日に台風が日本を横断したからだった。

イベント当日は台風が通り過ぎた後で天気は回復していた。……天気「は」。

前日、台風の影響で新幹線が記録に残るレベルで遅延していた。

その結果、イベント当日のダイヤが盛大に乱れ、さらに各主要な駅では人が構内に収まりきらないほど行列ができていた。

また東京へ向かう高速道路はこちらも台風の影響で倒木だったか何かが崩れたか、物理的に通れなくなっていたため、終日通行止めが発生。

それもあってか高速バスは夜行も朝早い便も欠航した。

私には東京に行く手段が無かった。

 

「でも公共交通機関が麻痺してるならイベント延期では?」と思った。

より正確に言うのであれば、そうあれと願ってしまった。

イベント延期を願うくらいには精神性がオトナではない。

だが結果として、東京周辺の公共交通機関が大幅に麻痺していなかったことからイベントは開催された。

有料配信もあるイベントだったが、とても買えなかった。

金銭的にも、心の余裕的にも。

イベントが開催された以上、チケットの払い戻しは無い。

現地チケットの代金を支払済な上、配信のチケットを購入というのは、懐がなかなか辛い。

仮に配信を買ったとしても必ず「俺これチケット持ってんのにな…」という思いをするだろう と考えて買えなかった。

まだイベント当日に急な仕事が入ったとか、体調を崩したとかの方が切り替えられた。

チケットは所持していて他の用事は何も無く健康体。

なのに、行けない。

 

TLへ東京周辺に住んでいてイベント参加できた人の感想が流れてきて、尚のこと病んだ。

その人たちは何も悪くないのにね。

(一応弁明しておくが、その人たちを逆恨みしたりは全くもってしていない)

(Twitterやめろよという至極真っ当なツッコミはやめていただきたい)

「○○が良かった」「最後に1対1でお話しできる時間があって××を伝えられて嬉しかった」

……俺だって伝えられたハズなのに。

私は少なくとも数日間は気分が落ち込んだまま過ごしていた。

 

さてイベントの後に放送される番組は何をやるだろうか。

ご明察、イベント感想回だ。

見れなかった。

イベントに参加できなかった落ち込みが、番組視聴のモチベーションに直結してしまうという悪路を辿ってしまった。本当に良くない。

誰も悪くないからこそ、気持ちをどこにも持って行けなかった。

 

後日談、というか今回のオチ。

その番組のイベントは第2回が開催されたのだが、先にチケットを持っていたイベントと日程が被って、もう致命的に向いてないと思った()

 

 

あの日に私は"たかが"イベントに行けなかったくらいで病まないと誓った。

同じことが起きても、心を保てるよう。

 

…奇しくも2024年に似たようなことが起きた。

ライブツアー千秋楽の前日に台風が来て、私が使える交通機関が全滅、でもイベントは開催して私は行けなかった という、あの日とほぼ一致した状況。

私は勿論凹みはしたが、病まなかった。

もう同じ道は辿らない。

心が強えオタクになるのだ。